離乳食を始めるとき、一番こわいのが「食べさせちゃいけないもの」ですよね。ネットで調べると、あれもダメこれもダメと出てきて、かえって不安になります。
この記事を書いているのは、管理栄養士の資格を持つ5歳・3歳のママです。
国(厚生労働省・消費者庁)が実際に「与えないで」と名指しで注意している食品を確認してまとめました。
結論から言うと、本当に「絶対ダメ」と言えるものは、そう多くありません🥣
結論:国が名指しで警告しているのは、大きく2つ
| 「絶対ダメ」なもの | いつまで | 根拠 |
|---|---|---|
| はちみつ(はちみつ入りの飲み物・お菓子も含む) | 1歳になるまで | 厚生労働省 |
| 硬い豆やナッツ類(節分の豆、ピーナッツなど) | 5歳以下 | 消費者庁 |
| ミニトマト・ぶどうなどを丸ごと | 乳幼児期 | 消費者庁(切れば食べられる) |
逆に言うと、卵・牛乳・魚などは「絶対ダメ」ではなく、「いつ・どう与えるか」の問題です。ここを混同すると、必要以上に食材を避けてしまいます。順番に説明します。
時期ごとに、気をつけるものをまとめるとこうなります。
| 時期 | 気をつけるもの |
|---|---|
| 1歳になるまで | はちみつ(入った食品も) 飲み物としての牛乳 |
| 離乳食のあいだ | 生もの(刺身・生卵・生肉) →しっかり加熱する |
| 離乳食のあいだ | 塩分の多い加工品(ハムなど) →少しだけ・薄味で |
| 5歳以下 | 硬い豆・ナッツ |
| 何歳でも | ミニトマト・ぶどうは4等分 詰まりやすい形(パンなど) |
出典:厚生労働省、消費者庁、こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」。
1. はちみつ|1歳になるまでは絶対にNG
これは唯一「命に関わる」と国がはっきり言っている離乳食のNGです。厚生労働省が保護者向けのリーフレットまで出しています。
なぜダメなのか
1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
ボツリヌス菌の芽胞が腸の中で増えて毒素を出す病気で、1歳未満の赤ちゃん特有のものです。
🔴 加熱しても意味がありません
ここが一番の誤解ポイントです。厚労省のリーフレットにはこう書かれています。
「ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません」
「煮込むから大丈夫」「パンに焼き込んであるから平気」は通用しません。
🔴 見落としやすいのは「はちみつ入りの食品」
リーフレットで注意されているのは、はちみつそのものだけではありません。
「ハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないように」と書かれています。
- はちみつ入りのジュース・飲料
- はちみつ入りのお菓子、クッキー、パン
- はちみつ入りののど飴・シロップ
- 大人用のヨーグルトにかけるタイプ
原材料表示を見る習慣をつけておくと安心です。実際、国内で亡くなった事例ははちみつ入りのジュースがきっかけでした。
どのくらい起きているの?
厚労省の資料によると、乳児ボツリヌス症の件数はこうです。
保健所が食中毒として報告した事例が1986年以降3例。医師が報告した事例が1999年以降16例。
数としては多くありませんが、起きたときの重さが違います。
なお、はちみつを食べていない例(国内では井戸水)も報告されています。はちみつだけが原因ではない、という点も覚えておくといいと思います。
1歳を過ぎれば、はちみつは食べられます。ずっとダメなわけではありません。
出典:厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」(保護者向けリーフレット)
2. 窒息の危険がある食品|「食材」ではなく「形」の問題
もうひとつがのどに詰まる事故です。消費者庁が具体的な食品名を挙げて注意喚起しています。
🔴 硬い豆・ナッツ類は「5歳以下には食べさせない」
消費者庁は、はっきりこう書いています。
「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください」
離乳食というより、上の子のおやつや節分の豆を下の子が食べてしまうという場面が危険です。5歳以下=幼稚園・保育園の年長さんまでと考えておくと分かりやすいです。
ミニトマト・ぶどうは「4等分」
消費者庁は、「ミニトマトやブドウ等の球状の食品を丸ごと食べさせると、窒息するリスクがあります。乳幼児には、4等分する、調理して軟らかくするなどして、よくかんで食べさせましょう」としています。
半分に切るだけでは不十分で、4等分というのがポイントです。半分だと、まだ気道をふさぐ大きさになってしまいます。
パンなど「詰まりやすい形」にも注意
消費者庁は、パンやおかきで赤ちゃんがのどを詰まらせた例も紹介しています。詰まりやすいのは、次の3つの形です。
- ねばりがあって、口の水分を吸うもの(パンなど)
- 丸くて、つるっとしたもの
- 固くて、かみ切りにくいもの
かまぼこやちくわのように、弾力があってかみ切りにくいものも気をつけたい食材です。

かまぼこは弾力があって、のどに詰まらないか心配でした。
よくかめるようになった2歳以降にあげました!
出典:消費者庁 子ども安全メール Vol.569「パン等による子どもの窒息や誤嚥に気を付けましょう!」(2021年10月)。
パンの始め方と、のどに詰まらせない出し方は、離乳食のパンはいつから?にまとめています。
どのくらい起きているの?
消費者庁によると、平成26年から令和元年までの6年間に、食品をのどに詰まらせて14歳以下の子どもが80名亡くなっています。
そのうち5歳以下が73名で、9割を占めていました。
はちみつより、こちらの方がずっと件数が多いのが実情です。「何を食べさせるか」以上に、「どんな大きさ・硬さで出すか」を意識してください。
出典:消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!―気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで―」
3. 「絶対ダメ」ではないもの(時期と与え方の問題)
検索すると「NG食材」としてよく挙がるけれど、正しくは「時期」や「与え方」の話というものがあります。
- 卵:卵黄 → 卵白 → 全卵の順に、しっかり加熱して少量から(くわしくは次の項目で)
- 牛乳:まず加熱して料理に使うところから始めます。そのまま飲ませるのはもっとあとです
- 魚:加熱した白身魚から始めます。赤身魚・青魚はそのあとです
- 肉:ひき肉から始めるのが◯。しっかり加熱すれば食べられます
- えび・かに・そばなど:1歳以降から、慎重に進めます。アレルギーの原因になりやすい食材なので、離乳食期に急いで食べさせる必要はありません
- 味付け:「絶対ダメ」ではなく、大人よりずっと薄味にする、という話です
これらは月齢ごとの進め方が決まっているので、母子健康手帳、自治体の離乳食教室、かかりつけの小児科で確認するのが確実です。
とくにアレルギーが心配な場合は、自己判断せず医師に相談してください。
生もの(刺身・生卵・生肉)は加熱
厚生労働省は、生の肉には食中毒の菌がついていることがあるとしています。とくに子どもやお年寄りは注意が必要です。
多くの菌は、75℃で1分以上加熱すると死にます。肉も魚も、中までしっかり火を通してからあげます。
卵も、国のガイドでは固ゆでの卵黄から始めます。生卵や半熟卵は、離乳食ではあげません。
出典:厚生労働省「お肉はよく焼いて食べよう」、こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」。
牛乳を飲み物にするのは1歳から
国のガイドでは、牛乳を飲み物としてあげるのは1歳を過ぎてからが望ましいとされています。鉄が足りなくなる貧血を防ぐためです。
牛乳の始め方と量の目安は、離乳食の牛乳はいつから?にまとめました。
料理に少し使うのは、離乳食のころからOKです。
ヨーグルトの始め方と量の目安は、離乳食のヨーグルトはいつから?にまとめています。
ハムなどの加工品は塩分に注意
ハムやベーコン、かまぼこ、ちくわ、魚卵などの加工品は、塩分が多めです。国が「ダメ」と名前を出しているわけではありません。
ただ、国のガイドでは、離乳食は薄味が基本です。使うなら少しだけにして、時期も遅めにすると安心です。

ハムは塩分が気になったので、1歳を過ぎてからにしました。
しらすは6か月ごろから、塩抜きしてすりつぶしてあげていました!
味付けの考え方は、離乳食に味付けがダメな理由は?にまとめています。
卵は「遅らせない方がいい」——ただし条件があります
かつては「アレルギーが心配な食材は遅らせた方がいい」と言われていました。いまは逆で、遅らせるほど卵アレルギーを発症しやすいという研究結果が出ています。
これを受けて日本小児アレルギー学会が、2017年に「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を出しています。
ただしここには大事な条件がついています。
ネットでは「早く食べさせた方がいい」だけが広まっているので、原文の内容を書いておきます。
- 提言が対象にしているのは、主にアトピー性皮膚炎(かゆみのある乳児湿疹を含む)のある赤ちゃんです
- その場合に「医師の管理のもと」生後6か月から微量の摂取を始めることを勧めています
- 卵を始める前に、まず湿疹の治療をして肌の状態をよくしておくことが望ましいとされています
- すでに卵アレルギーが疑われる赤ちゃんに、安易に卵を食べさせるのは「きわめて危険」とはっきり書かれています
つまり「早ければ早いほどいい」という単純な話ではありません。
とくに湿疹がある・肌の調子が悪い赤ちゃんは、自己判断で進めずに必ず小児科で相談してください。血液検査で陽性が出ている場合も同じです。
湿疹がなく元気な赤ちゃんであれば、離乳食の進み方に合わせて、しっかり加熱した卵黄から少量ずつというのが基本の進め方です。
量の目安や、卵黄と卵白どっちが先かは、離乳食の卵はいつから?にまとめました。我が家の進め方も書いています。
出典:日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」(2017年6月)、国立成育医療研究センター「離乳食における鶏卵摂取の考え方」
※この記事は一般的な情報です。お子さんの体質や状況に応じた個別の判断は、かかりつけの小児科医・管理栄養士にご相談ください。
4. 我が家の離乳食は「生協の宅配」に助けられました
気をつけることが分かっても、毎日作るのは本当に大変です。
我が家は1人目が0歳のとき、離乳食のために生協の宅配(おうちコープ)を始めました。離乳食向けの商品が充実していて、この時期は本当に助かりました。
裏ごし済みの野菜キューブのような下ごしらえが済んだ食材は、切り方や硬さで悩まなくていいのが大きいです。
窒息のリスクを考えると、「大きさを気にしなくていい」というだけで安心感があります。
いまはパルシステムを使っていて、離乳食・幼児食向けのラインもあります。両方使った比較はこちらの記事にまとめました。
パルシステムには、離乳食向けのおためしセット(980円)もあります。くわしくはパルシステムのおためしセットはどれがいい?にまとめました。
・冷凍の裏ごし野菜を使いたい
→ パルシステム
・牛乳や納豆を毎週おトクに頼みたい
→ オイシックス
パルシステムはyumyumの「うらごし」シリーズ(にんじん・かぼちゃ・コーンなど)、オイシックスは「牛乳とか飲み放題」(月1,598円・毎週3品まで)。出典:パルシステム公式「離乳食・ベビー用品」、Oisix公式(2026年10月20日確認)。どちらも使っているわが家の感想もふまえています。
わが家は、上の子が1歳のころからオイシックスも使っています。離乳食・幼児食のコーナーもあり、まずはおためしセットで試せます。
※加入は無料で、出資金1,000円は退会時に返ってきます。
なお、「食べさせちゃいけないもの」とは別の悩みもありますよね。
そもそも食べてくれないときの話は離乳食・幼児食を食べない子の特徴は?にまとめています。
「味付けはいつから?なぜダメなの?」については離乳食に味付けがダメな理由は?で、国の資料を確認してまとめています。
「離乳食はいつ終わるの?」が気になる方は、離乳食が完了したサインは?もどうぞ。国の定義は3つで、卒乳とは別です。
「生協って必要?」と迷っている方は、離乳食に生協は必要?もどうぞ。おうちコープとパルシステムを使った実体験です。
よくある質問(FAQ)
Q. 離乳食で絶対ダメなものは?
A. 国がはっきり注意しているのは3つです。
1歳未満のはちみつ(加熱してもNG・はちみつ入りの食品も含む)、5歳以下の硬い豆・ナッツ類、ミニトマトやぶどうを丸ごと。
Q. 0歳児にダメな食べ物は?
A. はちみつ(入った食品も)と、硬い豆・ナッツです。生もの、飲み物としての牛乳も、1歳まではあげません。ミニトマト・ぶどうは4等分にします。
Q. はちみつは加熱すれば大丈夫?
A. ダメです。厚生労働省のリーフレットに「ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません」と明記されています。
Q. はちみつ入りのお菓子やパンも?
A. はい。厚労省は「ハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないように」としています。原材料表示を確認してください。
Q. ミニトマトは半分に切れば大丈夫?
A. 消費者庁は4等分としています。半分だとまだのどに詰まる大きさなので、4つに切るか、加熱してやわらかくしてください。
Q. アレルギーが心配な食材は遅らせた方がいい?
A. 「心配だから遅らせる」という進め方はいまはとりません。むしろ遅らせるほど卵アレルギーを発症しやすいという研究結果が出ています。
ただし日本小児アレルギー学会の提言は、「医師の管理のもと」が前提です。
湿疹がある赤ちゃんは先に肌の治療をすること。
すでにアレルギーが疑われる場合に安易に食べさせるのは「きわめて危険」とされています。
自己判断せず、必ずかかりつけの小児科医に相談してください。
まとめ
- 1歳未満にはちみつはNG。加熱しても意味がなく、はちみつ入りの飲料・お菓子も含む(厚生労働省)
- 硬い豆・ナッツ類は5歳以下には食べさせない(消費者庁)
- ミニトマト・ぶどうは4等分。半分では足りない(消費者庁)
- 窒息死は6年で80名、9割が5歳以下。「何を」より「どんな大きさ・硬さで」が大事
- 卵・牛乳・魚などは「絶対ダメ」ではなく時期と与え方の問題。えび・かに・そばは1歳以降から慎重に。母子手帳・自治体・小児科で確認を
- 生ものはしっかり加熱。牛乳を飲むのは1歳から。ハムなど塩分の多い加工品は少しだけ
必要以上にこわがらず、危ないところだけ確実に押さえていきましょう🥣
出典:厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」「お肉はよく焼いて食べよう」、消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」・子ども安全メールVol.569、こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」。
内容は2026年10月6日時点で確認したものです。本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療・個別の栄養指導を目的としたものではありません。

