「せっかく作ったのに、ひと口も食べてくれない」——離乳食や幼児食で、これほど心が折れる瞬間はないですよね。
この記事を書いているのは、管理栄養士の資格を持つ5歳・3歳のママです。
「食べない子の特徴」を神奈川県立こども医療センター(偏食外来)の資料で確認しました。
あわせて、我が家の「白いご飯しか食べなかった1年半」の実話も書いています。
結論から言うと、食べない子の特徴は「気質」と「経験」であって、能力の差でも、親のせいでもありません🥣
まず知っておきたい:離乳食で「困っている」のは4人に3人
厚生労働省の乳幼児栄養調査(平成27年度)では、0〜2歳児の保護者のうち離乳食について困ったことがある人は74.1%。
「特にない」と答えたのは4人に1人だけでした。
| 離乳食で困ったこと | 割合 |
|---|---|
| 作るのが負担、大変 | 33.5% |
| もぐもぐ、かみかみが少ない(丸のみしている) | 28.9% |
| 食べる量が少ない | 21.8% |
| 食べものの種類が偏っている | 21.2% |
| 食べるのをいやがる | 15.9% |
「食べる量が少ない」「偏っている」「いやがる」——食べないことで悩んでいる人が、これだけいます。うちだけじゃない、というのが最初の安心材料です。
そして1位は「作るのが負担、大変」33.5%。食べてくれないうえに、作る手間もかかる——これが離乳食のいちばんつらいところです。
我が家はここを生協の宅配(おうちコープ・パルシステム)にかなり助けられたので、記事の最後に書いています。
出典:厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」第1部(0〜2歳児の保護者、複数回答)
結論:食べない子の特徴は「気質」と「経験」の3つ
神奈川県立こども医療センターには「偏食外来」があります。
保護者向けのパンフレット(大山牧子医師 著)が神奈川県小児保健協会のサイトで無料公開されています。
そこに書かれている「食べない理由」を、私なりに整理すると次の3つです。
特徴①:用心深い・心配症・気が散りやすい気質の子
パンフレットでは、子どもにとって新しい食べ物は「モンスター」のように見えると説明されています。
特に用心深い・心配症・気が散りやすい気質の子は、食べ慣れないものを「怖い」と感じやすいそうです。
つまり「食べない子」は、わがままなのではなく慎重な子。性格の一部なので、叱っても変わりません。
特徴②:まだ「食べることの初心者」
口に入れない、入れても出してくる、丸のみする、投げる。
これらはパンフレットで「食べることの初心者」のサインとして挙げられています。
大人にとって当たり前の「かんで飲み込む」は、子どもにとっては練習中の技術です。
特徴③:親の気持ちを鏡のように映す
意外だったのがこれです。
パンフレットには「親子の気持ちは鏡」とあります。
親がイライラしていると、子もイライラする。親が落ち着くと子も落ち着いて、自分から食べたくなると書かれています。
食べない→親が焦る→子がストレスを感じてさらに食べない、という悪循環。
管理栄養士として栄養指導を学んだ私でも、我が子の前ではこの輪にどっぷりハマりました(あとで書きます)。
出典:神奈川県立こども医療センター「偏食外来パンフレット 心の準備編『どうしてたべてくれないの?』」
「食べる子」との違いは、能力ではなく気質。親のせいでもありません
上の3つを見ると、食べる子と食べない子の違いは「育て方の上手い下手」ではないことが分かります。慎重な気質か、まだ慣れていないか。
そこに親の焦りが重なるかどうか、です。
実は我が家がまさにそれで、同じ親が同じように育てた兄妹でも、食べ方はまるで違いました。
我が家の実例①:息子は「白いご飯だけ」が1年半続いた
息子は離乳食の時期はあまり困りませんでした。変わったのは1歳半ごろ。幼児食に移るタイミングで保育園に入り、そこから偏食が始まりました。
食べるのは白いご飯だけ。おかずにはほぼ手をつけず、給食がパンの日は「今日は何も食べませんでした」と先生に言われたことが何度もあります。
この状態が1年半続きました。
管理栄養士なのに、自分の子が白米しか食べない。栄養面も心配で、正直めちゃくちゃ悩みました。
転機は「白いもの」と「保育園のルール」
少しずつ変わったきっかけは2つです。
- 白いものから広がった:豆腐、水餃子など、見た目がご飯に近い「白い食べ物」から徐々に食べられるようになった
- 年少クラスの給食ルール:「全部食べないとおかわりできない」というルールになり、いつも白米をおかわりしていた息子が、おかわりのためにおかずも少しずつ食べるようになった
どちらも私が食べさせたわけではないのがポイントです。本人が「食べてもいいかな」と思える条件がそろったとき、自分から動きました。
我が家の実例②:娘は好きなものばかり、遊び食べ、「食べさせて!」
娘は息子と真逆で、肉や魚などの主菜ばかり食べて、ご飯などの主食をあまり食べないタイプ。食事に飽きるのも早く、遊び食べもありました。
自分で食べないで「食べさせて!」は3歳の今もあります。
離乳食の時期は好みがコロコロ変わるのにも振り回されました。昨日食べたものを今日は食べない、が普通にあります。
同じ親が同じように作っているのに、兄妹でこれだけ違う。「食べる・食べない」は育て方よりその子の気質なんだと、2人育ててはっきり分かりました。
やってみて「効いたこと」と「やってはいけなかったこと」
🔴 やってはいけなかった:無理に食べさせる
息子には、嫌がるものを無理に口に入れたことがあります。結果は嘔吐でした。食べさせるどころか、食事そのものが嫌な時間になってしまう。
「本人が食べたいと思うまで強制はしない」と、このとき反省しました。
神奈川県立こども医療センターのパンフレットにも、一番効果があるのは「強制をやめること」とあります。
「一口だけでも」「せっかく作ったのに」「なんで食べないの」といった言葉。
食べないものを必ず置く・食べきれない量を置くこと。
これらも「強制」に含まれる、とされていました。
反省しかありません。
効いたこと①:立ち上がって遊び始めたら、ご飯はおしまい
娘の遊び食べには、これを徹底しました。ダラダラ続けない。「食事の時間は座って食べる時間」と体で覚えてもらう感じです。
パンフレットでは、役割分担が勧められています。
いつ・どこで・なにを食べるかは親が決める。食べるか食べないか・どう食べるかは子どもが決める。
「立ったら終わり」は親の役割(いつ・どこで)を守っただけ、と後から納得しました。
効いたこと②:「食べさせて!」には、なるべく応える
甘やかしに見えるかもしれませんが、食べたい気持ちがあるうちに食べてもらう方を優先しました。
「自分で食べなさい」と突っぱねて食事自体が嫌になるより、ずっといいと思っています。
効いたこと③:好きなものを少量出して「おかわりしたいなら、こっちを食べてからね」
これは話が通じる年齢になってから効きました。好きなものを最初から山盛りにせず少量出す。「もっと食べたい」となったら、苦手なものを一口はさむ。
息子の給食ルールと同じ仕組みを家でも使った形です。
離乳食期の工夫:混ぜる・味を変える・別の食材でカバー
娘の離乳食期は好みが変わりやすかったので、次のように工夫していました。
- 食べないものは好きなものと混ぜてみる
- 味付けを少し変えてみる(同じ食材でも、だしを変えるだけで食べることがあります)
- それでも食べないものは、別の食材で栄養面をカバーする。娘は納豆を食べなかったので、同じ大豆製品の豆腐でたんぱく質を取るようにしました
「この食材を食べさせないと」と1つに固執せず、栄養素で考えて代わりを探す。これは管理栄養士の発想がそのまま役に立った部分です。
管理栄養士として、食べなくて悩んでいるママに伝えたいこと
私が2人育ててたどり着いた結論は、シンプルです。
根気強く出し続けていれば、いつか食べる。期待しないで、気長に待つ。
「期待しない」がポイントです。期待すると、食べなかったときにがっかりして、それが子どもに伝わります(特徴③の「鏡」です)。
「今日も置いただけ。それでOK」くらいの気持ちが、結果的に一番の近道でした。
神奈川県立こども医療センターのパンフレットには、これを裏づける目安がいくつか載っています。
- 苦手なものは「10回」出すと食べるようになると言われている。ペースは中2日くらいでゆっくり
- 食事の間隔は2.5〜3時間あけて、「ほどよい空腹」をつくる
- 1回の食事は15〜30分、長くても40分まで
- 家族と同じものを一緒に食べると、子どもの食べる量が増えるという研究データがある
「10回出す」は、我が家の「白いものから徐々に」「豆腐や水餃子から」がまさにそれでした。一度で食べなくても、見慣れることが次につながります。
出典:神奈川県立こども医療センター「偏食外来パンフレット ステップアップ編『いつどこでたべる?』」
ここだけは受診を:見守ってよい偏食と、見逃してはいけないサイン
「気長に待つ」が基本ですが、例外もあります。なかのこどもクリニックのコラムでは、次に当てはまる場合は小児科に相談を、としています。
- 成長曲線から明らかに外れてきている(体重・身長の伸びが止まった、または減った)
- 食べられるものが極端に少ない、またはさらに減っている
- 嘔吐やえずきが頻繁にある
- 特定の食感を極端に嫌がる(ドロドロしか食べない、固形を一切拒否など)
- 水分も含めてほとんど口にしない時間が長い
- 月齢に見合った食形態にまったく進めない
逆に言えば、母子手帳の成長曲線に沿って体重・身長が伸びていれば大丈夫。
食べる量が少なく見えても、大きな心配はいらないケースが多いです。
健診のたびに成長曲線を確認する習慣をつけておくと安心です。
出典:なかのこどもクリニック「1歳前後の『食べない』が気になったら」
5歳になった息子は、今こうなりました
白いご飯しか食べなかった息子は、5歳の今、肉も魚も野菜もほとんど食べられるようになりました。
一番うれしいのは、食べたことがないものでも「とりあえず一口は食べてみる」ができるようになったこと。これは食べる量が増えたこと以上に大きな変化だと思っています。
1年半の白米期のまっただ中では、こんな日が来るとは思えませんでした。だから今悩んでいる方に、「終わりはちゃんと来る」とだけ伝えたいです。
助けられたもの:生協の「きらきらステップ」
我が家は息子が0歳のときに、生協の宅配(おうちコープ)に加入していました。
離乳食ではCO・OPの「きらきらステップ」シリーズにかなり助けられました。
実際によく使っていたのはこの5つです。
- 国産米をふっくら炊いた白かゆ
- やわらかいミニうどん
- 国産野菜で作ったなめらかキューブ
- 国産野菜と豆乳で作った角切り野菜入りホワイトソース
- 北海道産白身魚と国産野菜のふんわりつみれ
好みがコロコロ変わる時期に、「食べなかったら別のものをすぐ出せる」ストックがあるのは精神的にとても楽でした。
作った手間がかかっていないので、食べなくてもがっかりが小さい。これも「期待しない」を助けてくれました。
5品とも2026年9月時点で現行のラインナップにあります(取り扱いは生協によって異なります)。
いまはパルシステムを使っていて、こちらにも離乳食・幼児食向けの「yumyum」シリーズがあります。両方使った比較はこちらの記事にまとめました。
パルシステムは、加入前に980円のおためしセットを試せます。くわしくはパルシステムのおためしセットはどれがいい?にまとめました。
・冷凍の裏ごし野菜を使いたい
→ パルシステム
・牛乳や納豆を毎週おトクに頼みたい
→ オイシックス
パルシステムはyumyumの「うらごし」シリーズ(にんじん・かぼちゃ・コーンなど)、オイシックスは「牛乳とか飲み放題」(月1,598円・毎週3品まで)。出典:パルシステム公式「離乳食・ベビー用品」、Oisix公式(2026年10月20日確認)。どちらも使っているわが家の感想もふまえています。
わが家は、上の子が1歳のころからオイシックスも使っています。離乳食・幼児食のコーナーもあり、まずはおためしセットで試せます。
※パルシステムの加入は無料で、出資金1,000円は退会時に返ってきます。
なお、「食べない」とは別に「絶対に食べさせてはいけないもの」は、離乳食で絶対ダメな食材は?にまとめています。あわせてどうぞ。
「食べないから味を濃くしたほうがいい?」と迷ったら、離乳食に味付けがダメな理由は?もあわせてどうぞ。国が実際に何と書いているかを確認しています。
「そもそも完了しているの?」と迷ったら、離乳食が完了したサインは?をどうぞ。目安の月齢をはみ出しても大丈夫、という話を書いています。
「作るのが負担」で限界のときは、離乳食に生協は必要?もどうぞ。我が家が使っていた商品と月いくらかを書いています。
「卵はいつから?卵黄1個は多すぎ?」は、離乳食の卵はいつから?で国の目安と我が家の進め方をまとめています。
納豆の始め方と量の目安は、離乳食の納豆はいつから?にまとめました。
よくある質問(FAQ)
Q. 離乳食を食べない子の特徴は?
A. 神奈川県立こども医療センターの資料を整理すると、3つです。
①用心深い・心配症・気が散りやすい気質、②まだ「食べることの初心者」、③親の気持ちを鏡のように映す。
能力や育て方の差ではありません。
Q. 食べる子と食べない子の違いは何?
A. 気質と経験の差です。我が家は同じ親が同じように育てた兄妹で、息子は白いご飯だけ、娘は主菜ばかりと、まるで違いました。
Q. 偏食は親のせいですか?
A. 気質が大きく、親のせいではありません。ただし親の焦りや強制は悪循環を強めるので、そこは親が変えられる部分です。「期待せずに出し続ける」が近道でした。
Q. いつまで続きますか?
A. 個人差があります。我が家の息子は1歳半から年少(3歳)ごろまでの約1年半でした。
成長曲線に沿って体重が増えていれば見守り、外れてきた場合や嘔吐が続く場合は小児科に相談してください。
Q. 無理に食べさせるとどうなりますか?
A. 息子は嘔吐しました。食事そのものが嫌な時間になります。
神奈川県立こども医療センターのパンフレットでも、一番効果があるのは「強制をやめること」とされています。
まとめ
- 離乳食で困っている保護者は74.1%。うちだけじゃない(厚生労働省)
- 食べない子の特徴は気質(慎重)と経験(初心者)、そして親の気持ちの鏡。能力や育て方の差ではない
- 一番効くのは「強制をやめる」。無理に食べさせると、我が家は嘔吐した
- 苦手なものは10回出す・食事間隔2.5〜3時間・1食15〜30分。期待せず、気長に待つ
- 成長曲線に沿っていれば見守り、外れる・嘔吐が続く・極端に減るなら受診
- 白いご飯だけだった息子は、5歳で「とりあえず一口」ができるようになった
食べない時期は本当にしんどいですが、終わりはちゃんと来ます。今日も置いただけでOK。一緒に気長にいきましょう🥣
出典:厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」、神奈川県立こども医療センター「偏食外来パンフレット」(神奈川県小児保健協会)、なかのこどもクリニック「1歳前後の『食べない』が気になったら」。
内容は2026年9月11日時点で確認したものです。本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療・個別の栄養指導を目的としたものではありません。

